ARにUXデザインの原則を適用する方法

このブログはWikitude社のブログ How to apply UX design principles in augmented realityの抄訳です。

 

あなたがUX/UIデザイナーであれば、思ったよりも早くAR環境で仕事をすることになるかもしれません。ARアプリケーションが急速に広まってきたため、アプリケーションの操作性がより重要になってきました。

この記事ではUIデザインに焦点を当てて、ARアプリケーションでのユーザー体験の役割について説明します。


ARのためのUXデザイン

 

ユーザーエクスペリエンスデザイン(UX)はユーザーのニーズを考慮し、ユーザーの行いたいことを可能な限りシームレスで直感的に行うアプリを設計するプロセスです。優れたUXは常にユーザーを設計プロセスの中心に据えています。

 

では、ARではどうでしょうか?ARアプリではハードウェアとソフトウェアのシームレスな繋がりを通じて優れたユーザー体験を提供することを意味します。

 

ARは実際の環境に情報がオーバーレイされるため、ユーザー体験は空間的で非常にコンテキストに応じたものになります。デザイナーは空間を考慮して設計することが必要で、そのためAR向けのUXの設計は困難になります。

 

Getting Started

 

ただでさえユーザーデザインは難しいものですが、普及し始めたばかりの新技術のためのデザインはさらに難しくなります。ここでは、デザイナーとしてユーザーエクスペリエンスを考え、ARアプリケーションを作成する際の技術について説明します。

 

ARのためのUXデザインの5本の柱

 

ARのUX(3Dユーザーインタフェースとも呼ばれる)のコンセプトは、何よりもインタラクションと視覚的な面白さが強調されます。ユーザーは仮想空間に入ることに興味があり、周囲の環境に気を取られることはありません。

ARに共通するUXデザインの5本の柱は、仮想オブジェクトのUIや体験をデザインする際に何を考慮すれば良いかを明確にするのに役立ちます。

次の基準を考慮してデザインプロセスを開始してください。

 

  • 環境
  • 動き
  • オンボーディング
  • インタラクション
  • ユーザーインタフェース(UI)

最初の二つ(環境と動き)を考慮することは重要ですが、後の三つ(オンボーディグ、インタラクション、UI)は、3Dでも従来の2Dでも重要です。

 

環境

 

ARは空間的であり、常に現実世界と相互接続されているため、環境は設計プロセスにおいて重要な役割をもちます。環境はユーザーからの距離によって四つのカテゴリに分類できます。

 

画像ソース: Wikipedia

親密な空間(Intimate Space)でのARの例としてはSnapchatやInstagramなどのフェイスフィルター、手の追跡などが含まれます。

 

パーソナルスペース(Personal Space) に移動すると、AR体験は、実際のオブジェクト、人、周りの領域を特徴とする場合があります。下記のビデオでは、教育モデルを使用してインタラクティブなデジタルレイヤーを介して化学の概念をアニメーション化しています。

 

パーソナルスペースでARを使用するもう一つの例は、卓上ゲーム、カードゲームなどです。ARが仕込まれたビザボックスや拡張されたキャラクターが相互作用するコレクターズカードなどもあります。

 

次は ソーシャルスペース(Social Space)です。カメラをさらに遠くにパンすると、プライバシーが守られている個人的なスペースとは異なり、他の人が領域もターゲットになります。このセグメントでは、マルチプレイヤーのARゲームや、家具配置などに広く使用されています。

 

多くの場合、 パブリックスペース(Public Space)でのAR体験は、ARで追跡する対象を捉えるために十分な領域がある特定の場所に固定されます。次の例はウィーンのmumokARアプリで、Wikitudeのシーントラッキング機能を使用して建物全体が追跡される公共スペースでのARです。

 

動き

 

動きは 次のUXデザインの柱になります。動きを設計するときは、ほとんどの場合、ユーザーの周囲の領域を使用する必要があります。

スマートフォンや装着型のデバイスは視野が限られているため、デザイナーの主なタスクはユーザーをガイドすることです。ユーザーがUIに沿って回り込んだり移動したりできるようにします。ユーザーを視覚的に誘導する際に注意しなければならないのは、危険な方向への誘導を指示しないことです。意図しないAR体験の低下や事故につながる可能性があるからです。

 

オンボーディング

 

次に検討する柱は、ユーザーのオンボーディングです。オンボーディングとは、ユーザーにプロダクトの価値を伝えるプロセスです。ユーザーフレンドリーで魅力的なAR体験を作成することは困難な場合があります。周囲にたくさんのマーカーを配置したり、画面上にいくつかの情報をオーバーレイしたりするだけでは不十分です。ユーザーが何を見ているのか、どのように使用しているのかを理解することが必要です。AR体験でユーザーにとってもっとも重要なことは正確さではなく使いやすさであることを忘れないでください。

 

もう一つ考慮すべき点は、デバイスごとにAR機能のサポートに様々な技術的制限があることです。例えばマーカーレスARではユーザーがデバイスを動かす必要があります。それにより特徴点を計算することができます。

LiDARセンサーが組み込まれた新しいデバイス(iPad Proなど)の場合、スキャンに時間はかかりませんが、他のデバイスの場合、ARを立ち上げて確認する手順がうまくいくようにユーザーをガイドする必要があります。

 

物体を追跡するために、Wikiudeのアライメントイニシャライザー機能を使い、目的のオブジェクトのシルエットを使用して形状と向きの手がかりを提供して、ユーザーに位置合わせをしやすくすることができます。アライメントイニシャライザーに関してはドキュメント(英語)をご覧ください。

 

インタラクション

 

AR体験が開始されると、UXデザインの定番であるインタラクションに移行します。このフェーズではユーザーは直感的で応答性の高い操作を行います。スマートフォンやタブレットでは次の最も一般的なジェスチャーが用いられます。

 

  • タップして選択
  • オブジェクトの中心からドラッグして移動
  • オブジェクトの端からドラッグして回転
  • ピンチで縮尺を変更

 

応答性の高いインタラクションとは、目的のオブジェクトからカメラまでの位置を考慮することであり、これによってユーザーがインタラクションを行うことが容易か困難かが決まります。例えば、遠くに配置されたオブジェクトとのインタラクションを用意するために大きめのバウンディングボックスを表示するなどして、カメラまでの距離に依存しないようにすることが考えられます。

タブレット端末のユーザーを対象とした場合、指による入力を最小限に抑えるようにするのが良いデザインです。ほとんどのタブレットは両手で持って操作するため、画面の中央に配置されたUIやインタラクション要素は操作しづらくなるためです。

幅広い対象者向けにデザインする場合は、アクセビリティ機能を検討してください。これによってユーザーがオブジェクトの周りを動き回るのではなく、指で回転やリセットをできるようになります。

 

ユーザーインタフェース(UI)

 

最後に紹介するのは、AR画面と従来の画面からなるUIの原則です。ARのUIはユーザーがAR体験の一部として認識することで没入感を高めますが、従来の画面上のUIは、読みやすく、操作しやすいことが求められます。

 

人間を念頭に置いたデザイン

 

ARは、これまで不可能だったことを体験できるようにすることで人々の生活を向上させることができます。UXの原則をARに適用することで、デザイナーは明快で、日常生活に溶け込みやすく、力強い感情的な反応を引き起こす体験を生み出すことができます。

これらのガイドラインは特効薬というわけではありませんが、あらゆる層のユーザーにAR体験を提供する際に、どこに注意を払ってデザインすべきかという基本的な指針を示しています。

 


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