ARのための3Dコンテンツの作成

このブログはWikitude社のブログ「Creating 3D content for augmented reality」の抄訳です。


コンテンツは常に変化してきました。2000年代初頭にテレビやデバイス向けに作られたコンテンツは今は世界中に普及しています。

AR向けの3Dコンテンツは、外界からの隔離は別としてVR支持者がこれまで夢見てきたのと同じくらいの没入型が必要となってきました。

 

ARが我々の生活の一部になればなるほど、コンテンツを3Dの世界に適用させる必要性が高まります。それは、コンテンツが

リアルで、空間にフィットし、かつ魅力的でなくてはならないことを意味します。現在オンライン上に何千ものアプリがありますが、

ほとんどの企業はいまだにARで魅力的なコンテンツとは何かを理解していません。

 

このブログでは、ARでのコンテンツの役割、今後期待される空間上のコンテンツについて説明します。

 

ARコンテンツの基礎

ARコンテンツは、モバイル端末やタブレット、またはスマートグラスなどを介して現実世界にそれを補足するためにコンピュータが生成したグラフィックなどです。SNSのフィルターのようにユーザーが生成するものもあれば、専門的なデザイナーが作成する場合もあります。

 

ARコンテンツは多くの場合3Dモデルですが、イメージ、ビデオ、オーディオの場合もあります。

 

コンテンツの品質によってARエクスペリエンスが向上する場合もそれが中断される場合もあります。

 

ARにおける3Dコンテンツの役割

市場には何千ものARアプリがありますが、もっとも成功しているアプリには、高品質で魅力的なARコンテンツがあるという共通点があります。このコンテンツが提供できなければ、アプリストアで全くダウンロードされない無意味なアプリになる危険性があります。

 

コンテンツが素晴らしければユーザーは何度も戻ってきます。

 

しかし、例えばAR化されたワインボトルをスキャンして、コンテンツを友人と共有することにワクワクすることがあっても、それが何回期待できるかは不明です。企業は、アプリの寿命を伸ばすために、常に新鮮で理にかなった、パーソナライズされたコンテンツを提供できることが求められます。

 

言うのは簡単です。高い制作コストや熟練した専門家の不足などのせいで、大規模なARコンテンツを構築することは企業が直面する最大の課題の一つであり、長期的にはアプリを維持することが難しくなります。

 

ARのための3Dコンテンツ構築の課題

3Dモデルは、現実の世界の完璧なデジタルツインを作り出す必要があります。3Dモデルは、他のレンダリング要素(アニメーション、オーディオ、物理など)と組み合わせることで、ARで最も使用されるコンテンツとなり、ユーザーにさらなる没入感をもたらします。

しかしこのようなリアルなビジュアルセットは比較的複雑なプロセスを経て作成されています。またサイズ制限やフォーマット、アプリサイズなど、優れたAR体験を構築するために開発者が気を配るべき多くの要素があります。また、ARコンテンツの業界標準や資格というのが無いことも課題になっています。

 

3Dアセットの構築:3Dモデルと3Dスキャン

3Dモデリングと3Dスキャン

3Dモデリングと3Dスキャンは、ARのための3Dアセットを構築する二つの方法です。

 

3Dモデリングでは、コンピュータ上でモデリングソフトを使用して任意のオブジェクトやサーフェイスの3D表現を作成します。3Dモデリングは現実世界と介することはないため、現実の世界に存在しない仮想オブジェクト、シーン、ポケモンなどのキャラクターなどを作成するのに向いています。

 

3Dスキャンでは、実世界のオブジェクトとシーンを使用します。この方法ではモデリングソフトは使用せず、写真測量や3Dスキャナー(LiDARなど)を使ったスキャンという二つの方法のいずれかを使用して作成します。

これらの二つの方法の主な違いは、オブジェクトのデータをキャプチャする方法です。写真測量ではスマートフォンやタブレットなどで撮影された画像を使用しますが、3Dスキャンには深度センサー(LiDAR)を備えた特別なデバイスが必要です。写真測量の方が手軽ですが、3Dスキャンの方が信頼性が高くなります。

どちらの方法でも点群が抽出できます。これはARコンテンツに使用できます。

 

ARのための3Dコンテンツはどのように作成するのか

市場にはたくさんのARコンテンツ作成ツールがあります。コーディングスキルの必要のない簡単なドラッグ&ドロップで作成できるものもありますが、それ以外のものははるかに複雑で経験豊富な専門家を対象としています。

 

Image source: DevTeam.Spaces

3Dポイントクラウド: ARでは、ポイントクラウド(点群)は、現実世界の物体の形状を点の集合体で仮想的に表現したものです。写真測量ソフトや3Dスキャナーを用いて、物体の外面を基準にして点を取得します。

写真測量では、2次元の画像から3次元の情報を得ることができるため、コンテンツ制作をより身近なものにしてくれます。3Dモデルにありがちな所有権の問題も解消されます。そのため、実物を記録したりスキャンしたりするだけで、誰でも簡単に3Dモデルを作ることができます。3Dスキャナー(LiDAR対応機器など)は徐々に市場に出回るようになり、深度センサーにより、より詳細な点群が得られるようになりました。

 

Wikitude Studio、Apple Object Capture、Amazon Sumerianなどの商用ツールは、写真測量ベースのプログラムの例です。

 

CAD(コンピュータ支援設計)

CADモデルは通常、物理的な商品のプロトタイプを作成するための最初のステップであり、デジタルの世界で最初の製品ビューを実現します。AR開発者はCADモデルを再利用してAR環境を構築することができます。

CADモデルは通常対象物に関する正確な情報を持ち、信頼性の高いAR体験の期待できます。産業界ではCADを使ったARが普及していますが、一般消費者にも徐々に普及してきています。

 

ゲームエンジン、コンピュータフラフィックス

Blender、3ds Max、Mayaなどのオーサリングソフトウェアツールは、ARコンテンツ作成者が使用する人気のある3Dデザインアプリケーションです。Unity、Unreal Engine、さらにはAppleのReality Composerも、コンテンツの断片を組み立て、それらを連携させてARを実現するための優れたツールです。

 

その他の3Dモデル

CAD以外にも、他の一般的な3Dモデル形式を利用して、ARソリューション(glTF 2.0、FBX、Objなど)を構築できます。互換性のあるファイル形式は、AR構築に使用されるプログラムによって異なります。 

 

次世代のARは?

 

ARへの関心が高まるにつれ、コンテンツの作成、労働力の不足を補うツール等がさらに登場すると思われます。

コンテンツ作成を容易にするために、AR企業は技術的なスキルを必要としない(したがって労働力のギャップを埋める)プラットフォームの構築に投資します。

例として、AppleのReality Kit 2があります。このフレームワークでは、開発者が実際のオブジェクトの写真を撮ったり、写真測量を使用して3Dモデルを作成したりできる待望のオブジェクトキャプチャ機能が含まれています。 

 

プラットフォームとデバイス間での相互運用性も同様に重要です。ARアプリを一度コーディングし、それを複数のデバイスやオペレーティングシステムにデプロイする機能は、企業がプロジェクトをできるだけ早く市場に投入するのに役立ちます。

 

最後に、最も重要な側面は、ARの3Dコンテンツがユーザーにどのように価値を提供できるかを理解することです。つまり、ARプロジェクトの明確な目標を達成し、それがデジタル戦略にどのように適合するかを理解し、顧客について深い知識を持つことを意味します。 

 


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